エインズレイの洋食器　（イギリス）

エインズレイは1775年イギリスで、ジョン・エインズレイによって創設された洋食器メーカーです。良質の陶土に恵まれたスタンフォードシャーで、当時炭鉱会社を経営していたジョン・エインズレイは、本業のかたわら陶磁器の製作を行なっていましたが、ついには趣味が高じて陶磁器工場の設立に至りました。

創設当時は日本の柿右衛門様式や伊万里の食器が、イギリスにも多く輸入されて珍重されていました。その作風を越える洋食器を求め、エインズレイは研究を重ねた結果、白磁洋食器の開発に成功します。1861年頃からは更なる上質な素材を求め、高級磁器ファイン･ボーンチャイナの制作にも着手します。以来きめ細かな白い地肌を持つエインズレイボーンチャイナは200年以上にわたり、上質な食器の製造を続けています。

ビクトリア女王のヨット用食器、エリザベス女王のご成婚用ギフトに、ダイアナ妃のロイヤルウエディングに使用されたりと、英国王室にも高い信頼を受け現在に至っています。

エインズレイの洋食器から代表作をあげるならば、オーチャードゴールドははずせないでしょう。油絵のように写実的に表現された、色鮮やかなたくさんの果実が、うつわいっぱいに描かれています。余白を全く残さことなく、ハンドル、高台には上質の金彩で装飾された、ひときわゴージャスなシリーズです。見た目にも大変美しい洋食器で、プレートでもカップ＆ソーサーでも、飾っておくだけで存在感を放つ逸品です。